昭和55年より大阪の八尾市で開業している透析クリニックです。平成27年に新築しました。長時間透析をはじめ、腎不全保存期の診療にも力を入れています。

透析食

 
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透析食とは

透析食は特別な食事ではありません。
しかし、食べ方に工夫が必要な点があります。
一般的なポイントをこれから紹介していきます。
具体的な個々に食事量は医師や栄養士にお尋ねください。 
 

1.バランスの良い食事を

主食 ご飯
 大事なエネルギー源です。
 毎食グラムを決めて食べましょう!
 
主菜 おかず
 肉・魚・卵などのタンパク質を主とした大きいおかず。
 過不足なく毎食適量を接種することが大事です。
 
副菜 おかず
 野菜を主とした小さいおかず。
 煮物が重なると塩分の摂り過ぎになります。
 1品は酸味のある料理を使用するなどで減塩を。
 
上の献立のように主食、主菜、副菜2品の形をとると
食事のバランスがとりやすくなります。

2.適切なエネルギーをとる

エネルギー不足は体力の低下、貧血、食欲不振などをまねきます。
活動量に合ったエネルギー摂取を心がけてください。
 
ドライウェイトが下がっていく方は、油の利用や
ごはんの量が減っていないかご確認ください。

3.タンパク質は必要量を守る

タンパク質の摂り過ぎは尿素窒素(BUN)やリン(P)の上昇につながります。
タンパク質不足は貧血や低タンパク血症等の栄養障害を起こします。
 
毎食適量を摂りましょう!!

4.水分を控える

体重増加が多い方は、飲水だけでなく献立や食材選び、
料理から入ってくる水分も減らしましょう。
 
☆献立の水分量☆
煮物・汁物・鍋物 → 水分が多い
炒めもの・揚げ物・焼き物 → 水分が少ない
 
☆注意する食材☆
水分の多いもの → 果物・缶詰・大根・こんにゃく・豆腐等
水分の多い間食 → プリン・ゼリー・ヨーグルト・アイス等
 
透析間の体重増加が多いと言われている方は上記の点にもご注意ください。
体重増加を減らすために食事を抜いたり、極端に減らす事は良くありません。

5.塩分を控える

塩分の摂り過ぎは血中のNa上昇に繋がり、喉が飲水を促します。
その結果、体重増加につながります。
 
☆献立を工夫して楽しく減塩を☆
・加工食品を控えましょう
・汁物は多くても1日1回までにしましょう。
・酸味や香辛料、香味野菜などもりようして美しく減塩を。
・洋風の調味料も使用しましょう。
 醤油よりソースやケチャップの方が塩分含有量は少ないです。
・食べる量が多くなると摂取塩分も増えます。適量摂取を心がけましょう。

6.カリウムを摂り過ぎない

カリウムは心臓・筋肉の働きを調整し、細胞内液の浸透圧を一定に保つ働きがあります。
透析者は尿中に排泄されないため、高カリウム血症になるおそれがあります。
 
手指がしびれる、唇がしびれる、だるい、胸が苦しい等の症状が出現し、ひどい場合には心臓が停止します。
 
食品に含まれるカリウムをへらす、多く含まれるものを食べすぎない等の工夫が必要です。
 
☆カリウムを減らして食べる☆
カリウムは水に溶ける性質があります。
たっぷりの水で最低30分さらしたり、又はゆでこぼす(湯がいたお湯を一度捨てる)処理をしましょう。
 
☆カリウムが多く含まれる食品を摂り過ぎない☆
・果物は1日50g程度を目安とし、特に多く含まれるバナナ、メロン、キウイは控える。
・イモ類は必ず茹でこぼし、摂取量にも注意する。1日50g程度を目安に。
・乾物、種実類は控えるようにする。
・豆類や海藻も摂り過ぎに注意。
・肉や魚にもカリウムは多く含まれます。1日の摂取量内で食べるようにしましょう。
 

7.リンを控える

透析者では、リンが排泄されにくくなり、高リン血症となります。
リンがたまると血中のカルシウムを低下させ、骨がもろくなったり、痛みかゆみが出てくることがあります。
また、透析が長期になってくると2次性副甲状腺機能亢進症の原因になります。
リンはどんなものにも含まれますが、特にタンパク質源の物に多く含まれています。
 
食べ方やリンの多く含まれている物を控える等の注意が必要です。
また、加工品や市販の品には防腐剤として、リンが入っている場合があります。
 
☆リンが高い時に注意する事☆
・牛乳、チーズ、ヨーグルト等の乳製品を控える
・肉、魚、卵は適量を越えて摂取しない
・レバーは控える
・納豆は特にリンを多く含むので控える
・インスタントや加工食品を控える
・干した魚、佃煮、骨ごと食べる魚は要注意
・処方されたリンの吸着剤は忘れずに服用する